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作家・水上勉さんが見た昭和20年代の浦和:編集長モッピーの歴史ゆる散歩

 

こんにちは。編集長のモッピーです!

 

 

前回のゆる散歩はこちら!

 

今回は浦和にゆかりのある作家について

図書館のお姉さんに教えてもらったよ!

 

浦和が舞台の小説が多い作家、水上勉

 

調神社手前にある利根川書店さんにはその昔、

紺色の浴衣掛け、雪駄ばきで

店に入ってきたという水上勉さんの姿がありました。

 

水上さんは浦和に住んでいた頃、

利根川書店さんによく遊びに来ていたそうです。



 

水上さんの文壇デビュー作であり、

ベストセラーになった

私小説『フライパンの歌』は、

なんと浦和時代に執筆されたもの。

 

そのキャッチコピーは、

「ペーソスあふれる昭和の貧乏物語」。

 

もちろん、作品の中に浦和も出てきます。

 

ほかにも浦和時代の体験をもとにした小説は、

『凍てる庭』、『結潰』などがあります。

 

水上さんは浦和が舞台の作品が

最も多い作家だと言われています。

 

その中で特に『凍てる庭』は、

浦和にいた頃の生活が詳しく書かれています。

 

今回は水上さんの作品に描かれた

昭和22年(1947年)から

昭和25年(1950年)頃の

浦和の風景を切り取ってみました。

 

水上さんの浦和時代

 

水上さんが浦和に転居したのは

昭和22年3月、28歳のとき。中山道沿いの白幡町

(現南区白幡)の農家の離れに住み始めました。

 

その頃、出版界は未曽有の不況。

 

就職口はなく、

水上さんは小説や童話を書くも、

生活はダンサーの奥さんの稼ぎで成り立っていました。

 

たまにしか入らないお金は飲んで使ってしまい、

都内に用事で出るほかは離れにこもって執筆、

または散歩、という生活ぶり。

 

ついに奥さんには子どもを置いて

逃げられてしまいます。

 

水上さんの浦和時代は失意の時代でした。

 

のどかな浦和の田園風景

 

水上さんは浦和にいた頃、

どんな風景を見ていたのでしょうか。

 

浦和の駅前には10数台のリンタクが客待ち。

リンタクとは簡易タクシーのことで、

自転車のうしろに、幌をかぶせた箱車をゆわえて、

二人乗りの座席をつくり、ペダルを踏んで走る

という乗り物です。

 

水上さんもお金のある時は、

リンタクで白幡まで帰ったそうです。

 

住宅街をぬけて中山道に出ると、

もう農家がぼつぼつとみえて、

古い家が梅林にかこまれてあったり、

大きな酒屋があったり、

土蔵が道へ背中を向けていたりした。

 

このように、浦和は町なかに農家が多かったという。

白幡町に着くと農家ばかりで驚いたそう。

 

そして浦和は樹の多い町だ、とも。

浦和駅と白幡町の途中にある調神社について、

境内がひろくて、

椎や欅の数百年も生きたと思える巨木が、

大蛇のような樹肌をみせて、

茂った枝を町屋根へのばしていた。

と描写しています。

 

水上さんが間借りしていた離れは梅林の中にあり、

部屋からは田んぼが、

天気がいいと富士山も見えたそうです。

五分ほどゆくと田がひろがり、

畑があり、高台には森があり、

神社や沼があった。

そして、蕨に向かう中山道傍の田んぼでは

枯木にくっついた蛙がいたり。

 

東京の神田から浦和に越してきた

水上さんにとって浦和は田舎に感じたことでしょう。

 

水上さんは、2、3歳の娘と一緒によく、

調神社に遊びに行ったり、

田んぼ道を散歩していたようです。

 

次回は、水上さんが歩いたであろう

岸町や白幡界隈をお散歩するよー!

 

<参考文献>

水上勉さんの作品

・『フライパンの歌』

・『凍てる庭』

・『決潰』

・『冬日の道』

・『自伝抄Ⅷ』「浦和にいた頃」

・『わが文学わが作法』

・『本と浦和』 並木せつ子

・「あっおやまっぷ」

 

編集長モッピーでしたー!

はなねー。

またねー。

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