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蔦屋重三郎『べらぼう』から笹岡稲荷@浦和橋をつなぐ:編集長モッピーの歴史ゆる散歩

 

こんにちは。編集長のモッピーだよー。

 

 

今年の大河ドラマの主人公は蔦重こと

蔦屋(つたや)重三郎だねー!

 

 

蔦重喜多川歌麿東洲斎写楽を世に出し、

また多くの戯作を売り出すなど、

 

江戸の出版界をリードした出版業者です。

 

その蔦重と縁の深かった大田南畝(なんぽ)

の作品の中には浦和が出てきます。

 

ということで、

 

今回は南畝の旅日記とともに

北浦和から浦和に向けて

 

図書館のお姉さんに説明をしてもらいながら

 

ゆる散歩してきたよー。

 

狂歌ブームのなかの南畝と蔦重

 

大田南畝(=四方赤良・よものあから=蜀山人)

幕臣でありながら、戯作者でもあり、

狂歌師でもありました。

 

狂歌とは五七五七七の

おもしろおかしい歌のことです。

 

狂歌は会を開いて詠まれるだけでしたが、

天明3年(1783年)に狂歌集が出版されると

爆発的な狂歌ブームが巻き起こりました。

 

武士たち同好だけの楽しみだったものが、

一気に広がり江戸の各地に

狂歌サークルのようなものができました。

 

天明期に集中して狂歌集が出版されたのです。

なんでも、狂名さえ名のれば歌を詠まなくても、

身分に関係なく誰でも狂歌師になれたそうです。

 

その狂名には「門限面倒」とか

「寝小弁垂高(ねしょんべんたれたか)」とか

目を丸くするような狂名まであったんだよ。ウケるね。

 

狂歌の世界はとてもにぎやかで楽しそうです。

ちなみに落語家も狂歌師から出たそうです。

 

天明狂歌界の中心人物だった

南畝は数々の狂歌集の編者をし、

 

南畝と親交を深めた蔦重

狂歌集を出版することでブームの一翼を担いました。

 

天明期のほとんどすべての

狂歌集を出版したのは蔦重です。

 

天明狂歌中でもっとも名高い四方赤良(なんぽ)の一首

生酔の礼者をみれば

大道を横すぢかひに

春はきにけり

(『狂歌才蔵集』天明7年 蔦屋重三郎刊)

千鳥足の酔っ払いに春の訪れを感じるという歌です。

 

笹岡稲荷と榎(エノキ)

 

南畝は、享和2年(1802年)に

1年の大坂銅座勤務を終え、

中山道経由で帰路に着きました。

 

そのときの旅日記が

『壬戌紀行(じんじゅつきこう)』です。

 

4月6日、熊谷を発ち、大宮、浦和を経て

蕨に泊まります。

 

北浦和から手前の部分から読むと

左右に桧のなみ木ありて、

くさぐさの木もまじれり。

人家もままみゆ。(略)

右に寺あり。二王門あれど扉をとざせり。

と書いてあり、

 

北浦和近辺はさびしいところだったようです。

桧は松の間違えかしらね。

 

右にあるお寺は廓信寺だね

 

左に小社あり。一里塚松をこゆれば浦和の駅なり。

 

小社は笹岡稲荷のことです。

そう、笹岡稲荷編集長モッピーの秘密のお花見場所!

 

 

境内には注連縄が巻かれた榎が数本ありました。

 

 

この榎、昭和の初めの浦和橋を架ける工事の時に

一里塚から移植されたようです。

「一里塚松をこゆれば」の松は榎の間違えね。ぷぷぷ。

 

笹岡稲荷は商売繁盛の霊験譚がたくさんあり、

また氏子の間では失せ物が見つかるという

信仰があるそうです。

 

狂歌師四方赤良のお笑い趣味のイメージもあってか、

北浦和から浦和にかけてだけ読むと、

味もそっけもないように感じます。

 

ですが、一日分を通して読むと、

詳細に記録を取りながら歩いていたことがわかり、

南畝はとても好奇心旺盛な人だったんだな

と思いました。

 

モッピーの狂名どうしようかしら。

「可愛杉駒瑠」とかね、ぷぷぷ。

 

ほなねー。

またねー。

 

 

参考文献

『蔦屋重三郎 時代を変えた江戸の本屋』

『蔦屋重三郎 江戸を編集した男』田中優子

『大田南畝 江戸に狂歌の花を咲かす』小林ふみ子

『新日本古典文学大系84

寝惚先生文集 狂歌才蔵集 四方のあか』

『ようこそ浦和・文学散歩』

『埼玉の神社 北足立 児玉 南埼玉』

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